リワークプログラム(復職支援)のご案内
うつ病・気分障害等による休職
多くの企業ではうつ病・気分障害・不安障害等で休職を余儀なくされる職員も多く、それら疾患罹患による個人が社会的損益は医療費や罹病による仕事能率の低下といった損益があります。
また、「うつ病の疾病費用研究 (精神神経学雑誌 第116巻 第2号/2014)」によるとうつ病による日本の社会的総損失額は「約2兆円」とも言われています。休職期間も厚労省の調べでは平均3.5ヶ月であり、復職後5年以内に47.1%が再休職に至っているとも報告されています。
(参考:厚生労働省『平成28年度労災疾病臨床研究事業費補助金研究報告書』)
リワークの必要性
リワークとはReturn to workの略語で本邦では、1997年頃から職場復帰支援として、職場復帰が困難な勤労者を対象に、一定の場所を用意し、そこでリハビリを行うようになりました。 近年では、うつ病・気分障害等の治療をするだけでなく、リワークをした上で復職することが、会社から求められるようになっています。
リワークが何故有効か?
休職することで、職場でのストレスから一定離れることができる反面、日中の活動性の低下や対人接触の機会を失い、孤立した生活パターンに陥りやすくもなります。
また、職場を長期間離れることにより、結果的に復職への不安が高まり、ある種の「職場恐怖」ともいうべき状態に至ることもあります。
リワークでは抑うつ症状や不安症状へのアプローチを行います。
当院では、現在までにうつ病・気分障害・不安障害等で休職されていた方に対して、認知行動療法の個別カウンセリングで復職支援を行ってきました。近年、休職を機に外来受診を希望される方や他院から入院治療で紹介を受けることが増加しており、そういった状況から個別支援だけでなく、短期間で集中的に行えるリワークを開設しました。
薬物療法(入院や外来)
ECT、認知行動療法
当院のリワークの特徴
リワークプログラムのみ開設している施設や入院環境がない施設と違い、ステップ①~③までを一環して行えます。
また担当者は認知行動療法カウンセリングを外来で年間約600件以上実施している精神科看護師と公認心理師が行っており、復職支援に加えて不安症状へのアプローチもより専門的に行えます。(担当者の略歴・実績はこちら)
そして、うつ病・気分障害・不安障害の認知行動療法カウンセリング経験豊富なスタッフがプログラム運営を行うことで通常の外来通院での復職支援よりもリワークで短期間・集中的に復職準備を行ってもらえることが特徴です。
病中の認知的・行動的なクセによって、気分先行型の生活パターンで生活される方が多くおられます。
体力について
休職によって体力の低下するケースが多く、まずは「動く」ことが重要と考えております。
当院の立地条件として比叡山の麓にあり、少し移動すれば琵琶湖が望める場所となっています。また、歴史的建造物も多くあるため、「動く」ことを環境面の刺激を受けながら進めていくことができます。
対人関係について
休職することで、他者との交流が一時的に減少します。
それは必要な配慮である場合が多いですが、そのような低刺激下から復帰する場合、急激に他者と接近する刺激が増えます。
その反動に耐えれずに再休職するケースもあることから、通所しながら、他者との交流刺激を少しずつ体験してもらいます。
その他の併存した困りごとについて
うつ病・気分障害で休職される方の中に「動悸がして電車に乗れない」「人の視線が気になる」などの不安症状が併存している場合があります。
これについては認知行動療法外来の担当者と共に定期的なカウンセリングと集団療法を行うことも可能です。
プログラム内容
*プログラムは変更となる場合もあります。
デイケアほーぷのプログラムと合同開催する場合もございます。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 |
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個別面接 |
午後 |
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受入面接等 |
午前中は基本的に軽い運動に取り組んでいただきます。(ウォーキングやジョギング、雨天時は筋トレなど)
午後は各自に合わせたプログラムや集団療法等の集中力が必要なプログラムとなっています。
プログラム内に認知行動療法外来担当者とのカウンセリングも行うことがあります。
まとまったカウンセリング時間が必要な方は土曜日に予約制で受け入れも可能です。
受け入れ面接や見学などは基本的には土曜日に対応しますが、プログラムを見学・体験したい方は
平日に行うことも可能です。それについては受け入れ面接時に相談することになります。
リワークご利用について
- 対象者
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当院外来通院中の患者様で主治医の指示のあった方
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うつ病・気分障害等の病名で休職中の方
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(現在失職中の方は対象外となりますが、主治医と相談で利用許可のある方は対象となることもあります)
※当リワークでは主治医とリワーク担当者が利用者の状態について情報共有を積極的に取ることで、より安定した復帰を目指しています。その為、原則当院通院中の患者様のみとなっております。
他院通院中の方でご利用を希望される方は転院していたく必要があります。転院についてのご相談は外来までお願いします。
医療保険適応となります。
<1日利用の場合>
自立支援医療を利用の場合は 1割負担で約800円
自立支援医療を利用しない場合は 3割負担で約2,500円
1日利用の場合はJR坂本駅、JR大津駅までの送迎と昼食の補助があります。