CBT(認知行動療法)
認知行動療法(CBT)とは
疾患や生活習慣、環境によって生じている生活上の困りごとを「考え方(認知)」・「行動」の視点から整理し、悪循環に対してカウンセリングで各種技法を用いて、変化を促し、困りごとを解消する心理療法のことです。
滋賀里病院の認知行動療法外来の特徴
精神科医と担当看護師または担当公認心理師で治療にあたります。そのため、カウンセリング単体ではなく、薬物療法の併用が必要な方もスムーズに導入する事ができます。
主にカウンセリングを担当する看護師は“認定行動療法士”資格を持ち、過去に100症例以上の認知行動療法のカウンセリング実績があります。
延べカウンセリング件数
2019年 | 担当看護師336件 |
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2020年 | 担当看護師391件、公認心理師 155件(2020年7月~) |
どんな人が対象? どんな困りごと?
パニック:電車に乗るのが怖くて乗れない、人が大勢いる場所が苦手
社交不安:仕事が断れない、頼む事ができない、人に嫌われないように振舞って非常に疲れる。
強迫症状:鍵の確認が止まらない、手洗いが多すぎて困る
睡眠:寝つきが悪い、途中で何度も起きる、早朝に目がさめる、寝た気がしない
他の精神科や心療内科通院中の方へ
現在、他院通院中の方の予約受付は制限しております。
外来開設後、しばらくしましたら受付を開始する予定であります。ご利用希望の方にはご不便をおかけ致します。今しばらくお待ちいただきますようにお願いします。
当院の認知行動療法外来の流れ
初診予約前 | 初診の方予約専用フォームより、希望を入力下さい。 |
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初診まで | 問診票、初回質問紙をこちらから事前にダウンロードして記入できる方はご準備をお願いします。 自宅にパソコンやプリンターが無い方は困りごとを紙にまとめておいていただくことをオススメします。 |
初診日 | 予約時間の15〜30分前には病院に到着し、受付で保険証の提示をお願いします。 問診票と初回質問紙をご記入してお待ちいただきます。事前に準備されている方は看護師までお渡しください。 |
初診 | 担当医が診察を行います。その診察で担当医が治療上必要と判断された場合、2回目以降の流れとなります。 そこで困りごとと治療計画について話し合います。 |
2回目以降 | 担当看護師によるカウンセリング開始となります。 ただし、進捗状況や体調の確認のため、精神科医の診察があります。 |
15回を上限としてカウンセリングを行います。15回を超える場合は、担当医、担当看護師とご本人で相談することになります。 | |
終結 | 担当医・担当看護師で終結とフォローアップについて話し合います。 |
認知行動療法カウンセラー 川野直久
略歴
2002年 | 看護師免許取得 八幡青樹会病院(現滋賀八幡病院) |
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2006年 | 滋賀里病院 |
2016年 | 日本精神科看護協会滋賀県支部 教育委員長 |
2018年 | 認定行動療法士資格取得(日本認知・行動療法学会) |
2020年 | 滋賀里病院 認知行動療法室主任 |
学会発表・講演・講義
2012年 | <発表> 「統合失調症患者の無投薬からのアドヒアランス獲得」日本精神科看護協会 第37回学術集会 |
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2013年 | <発表> 「行動療法と看護のかかわりによる盗癖の改善」日本精神科看護協会 第38回学術集会 |
2016年 | <講義> 看護師のための認知行動療法入門講座一般社団法人CBTを学ぶ会主催 |
2017年 | <発表> 「頼む」ことが苦手な社交不安障害の成人男性に看護師が行う認知行動療法日本認知・行動療法学会 行動療法コロキウムin福井 <講義> 認知行動療法研修会(3日間)日本精神科看護協会滋賀県支部主催 <講演> 大会企画シンポジウムテーマ「認知・行動療法の効果を援助チームの“共通言語”としていかすために」-看護師・作業療法士のチャレンジー 演題「看護師の認知・行動療法が共通言語となるための壁とそれを打開するいくつかの方向性と可能性」 日本認知・行動療法学会学術集会第43回大会(新潟) |
2018年 | <講演> 「認知行動療法が描く精神看護の未来」外来の立場から宮崎大学テニュアトラック推進機構企画シンポジウム <発表> 「確認強迫が約20年続いている40歳代男性に対する看護師の認知行動療法」2018CBTケースキャンプin滋賀 <講義> 認知行動療法研修会1日研修日本精神科看護協会滋賀県支部主催 |
2019年 | <発表> 「トイレの流し忘れを極度に恐れる30歳代女性への認知行動療法~外来看護師の面談~」日本不安症学会 第11回学術大会(岐阜) <講演> 大会企画シンポジウムテーマ「看護師による認知行動療法の病院・地域・基礎教育での実践 演題「外来看護師が認知行動療法実践する困難さとそれを打開した一例」 |
よくある質問
Q費用はどれくらいかかりますか?
A国民健康保険の適応になります。個人の加入状況によって負担費用は異なります。
3割負担の方の場合、2500円程度となります。2回目以降は1500円程度の負担となります。薬物療法を併用する方は別途処方箋料と調剤薬局での薬代等がかかります。
初診時に身体疾患除外のため各種検査(血液検査、心電図検査など)を行う事があります。その場合は診察料に加えて検査料も必要となります。
Qどれくらい時間がかかりますか?
A初診時は約1時間程度かかります。2回目以降は担当看護師のカウンセリングは30~50分、精神科医がCBTの進捗状況やその他の症状などの診察を5〜10分程度行います。
診察の進行により多少の待ち時間は発生します。
Qどれくらいの頻度で何回くらい通えばいいでしょうか?
A困りごとによって頻度や回数は違います。ただ、概ね頻度は2〜3週ごとにカウンセリングしている事が多いです。困りごとが改善してきている場合は1ヶ月ごとになる場合もあります。
Q薬物療法との併用とは?
Aパニックや強迫性障害には一定の薬物療法が保険算定で認められています。また、それらの不安障害はうつ病が併発することも多い疾患であります。そのため当院では精神科医が診察し、治療選択として薬物療法の併用も提案する場合もあります。
Q血液検査の以外に何か検査はするの?
A認知行動療法では毎回数種類の自己記入式の心理検査を受けていただきます。数分で終わる内容のものになります。
その他の検査では睡眠の困りごとがある方には睡眠時無呼吸の可能性も考えられます。その場合は当院で行える検査を受けていただくこともあります。
- 外来日:月曜 金曜 土曜
- 時間:10:00〜15:00 (各1時間枠で予約可)
- 予約方法:完全予約制
(初診に関しては当院の認知行動療法外来の流れを参照ください) - 対象年齢:20歳〜(20歳未満の方は思春期外来の対象とさせていただきます)
ご注意:
複数回カウンセリングが必要となります。継続的に通院可能な方が対象となります。
また、ご相談内容によって当外来で対応できない場合がございます。