滋賀里病院のECTセンターではうつ病の診断、薬物治療、修正型電気けいれん療法(ECT)を行っています。

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ECTセンター

うつ病の診断、薬物治療、修正型電気けいれん療法(mECT)について

近年、治療を受けているうつ病患者さんが増加しています。一方で、うつ病は性格や考え方が悪い、怠けているだけ、病気ではないといった誤解が依然としてあり、うつ病の症状と治療に対する正しい理解が必要とされています。

当院におけるECTついて

平成29年度は252件と、滋賀県で最多の施行件数と寛解まで平均7.14回と最短の効果発現を、エビデンスに基づき、最新のECTを施行する事で提供しています。
難治性うつ病、躁うつ病、統合失調症の方の為に、 湖南地区だけでなく滋賀県全域はもちろん、京都、大阪、神戸、奈良といった近畿圏、中部地方からも患者さんは来られています。

治療実績

修正型電気けいれん療法(ECT)
有効率90%以上と臨床効果の非常に高いECTを平成20年から28年2月時点までの間に約4000件施行してきました。

当院での平成28年度ECTは107件施行
33%がうつ病、53%が躁うつ病の患者さんです。
入院期間は約2ヶ月間で、平均7.14 回で完全寛解しています。

平成24年度台うつ病の96%が寛解維持、復職率は93%。双極性障害の66%が寛解維持し、復職率は71%。

ECT施行医師

栗本直樹
<略歴>
平成16年
滋賀医大 卒業 国立精神・神経センター 武蔵病院
滋賀医大精神医学講座 助教、
平成18年
ECTチームーリーダー
滋賀医科大学付属病院 精神科病棟 病棟医長、
同精神科外来 外来医長を経て平成28年2月、当院でECTセンターを開設
滋賀医科大学非常勤講師(難治性うつ病ECT外来)
日本総合病院精神医学会 ECT委員会 委員

当院におけるECT患者さんの主な紹介元病院

滋賀医科大学付属病院精神科
大津赤十字病院精神科
長浜赤十字病院精神科
大津市民病院精神科
草津総合病院心療内科
他、県下の様々な精神科クリニックからの紹介を受けております。

うつ病とは何か

では、うつ病と判断できる、客観的にも分かる症状はなんでしょうか。
それはその人の元来の意欲、集中力、思考力や活動量等が低下することを意味する「制止」という、うつ病の幹ともいうべき主症状です。
例えば、新聞、雑誌、本を1時間集中して読むことができた人が5分しか集中できなくなる、料理を10品作ることができた主婦が、5品、3品と減り、メニューが考えられなくなって同じものを作ったり、総菜ものを買ってくるようになる、等です。
このように、元々できていた事ができなくなる、主症状「制止」が出現すると、それに続いて枝葉にあたる様々な副症状が出現します。
不眠、食欲低下はほとんどの人で出現しますが、副症状の現れ方は人それぞれで、原因不明の頭痛、めまい、耳鳴り、胸痛、頻尿、手足のしびれ等、全身に様々な身体化症状が起こる人もいれば、不安、気分の落ち込みがある人もない人もいます。
なかには、うつ病の一般的なイメージからはほど遠い、笑っていたり怒りっぽくなったりする人もいます。
一見すると様々な枝葉の副症状に幹である主症状の「制止」は隠れているため、医療者にも見逃されていることが多くあります。しかし、詳しく診察すると、「制止」が明らかになります。

うつ病の治療

うつ病の治療には、 ①生物学的治療(薬物療法、修正型電気けいれん療法、反復性経頭蓋磁気刺激法等)、②心理療法(認知行動療法等)、③環境調整があり、総合的に行うことが大切です。
今回は当院で行われている生物学的治療を紹介します。
薬物療法には大きく分けて、①根本的治療:抗うつ薬と②対処療法:抗不安薬、睡眠導入剤の2種類があります。
根本的な治療は抗うつ薬ですがすぐには効きません。そこで、効果が出てくるまでの間、さしあたって困る副症状を抑えるために抗不安薬を用いたり、不眠には睡眠薬を用いることもあります。
これらを内服すると表面的な枝葉の副症状が緩和されるため、治ったように錯覚しますが、一時的な対処療法なので注意が必要です。
十分な量の抗うつ薬を約1カ月程度飲み続けることが必要です。まず、幹となる主症状が消失、つまり意欲、集中力、思考力、活動量が元に戻ります。それに続いて、枝葉の副症状も改善します。
抗うつ薬の寛解率(薬を飲んでいれば治った状態が保てること)は60~70%です。
再発率が高いため、少なくとも半年から1年間は寛解時の量を飲み続けることが大切です。
対処療法の薬が必要なうちは治ったとは言えません。
うつ病の治療は落ちた意欲、集中力、思考力や活動量を元に戻すことです。
決して、性格を明るくする治療ではありません。元に戻す治療です!

  • 業績・講演会・社会活動

    • 令和元年12月12日 ECT勉強会
      滋賀県立精神医療センター
      講師 栗本直樹
    • 令和元年11月15日〜16日 第 32 回日本総合病院精神医学会総会 岡山 倉敷
      ワークショップ: ECTの症例グループディスカッションと右片側刺激ハンズオンセミナー
      ファシリテーター 栗本直樹 他
      ポスター発表: 心房細動に対するカテーテルアブレーション後にECTを施行した症例
      筆頭演者 栗本直樹
    • 令和元年10月24日・11月14日 ECT good practice ー安全なECTに必要な「周術期管理」を中心にー
    • 平成31年7月8日 済生会滋賀県病院
      せん妄治療 ―坑精神病薬、睡眠薬の使い方-
      院内、地域の医師50余名に対し栗本直樹が講義を行いました。
    • 平成31年6月10日 済生会滋賀県病院 研修会
      日常診療における睡眠薬、抗不安薬の使い方
      ―ガイドラインを読み解く。不眠とうつ病の関係-
      講師:栗本直樹 他
    • 平成31年6月2日 2019年電気けいれん療法(ECT)講習会
      会場:大阪・千里ライフサイエンスセンター5F
      講師:栗本直樹 他
    • 平成30年10月13日 日本総合病院精神医学会 2018年電気けいれん療法(ECT)講習会
      会場:東京・永田町 ビジョンホール
      講師:栗本直樹 他
    • 平成30年10月6日 2018年 電気けいれん療法(ECT)講習会
      会場:東京・永田町 ビジョンホール
      講師:栗本直樹
    • 平成30年6月23日 第114回 日本精神神経学会学術総会 6/23 神戸
      委員会シンポジウム
      -臨床におけるECTの疑問-
      再発を繰り返すうつ病に対するメンテナンスECTと再発する要因
      シンポジスト 栗本直樹
    • 平成30年3月17日 滋賀災害医療セミナー@滋賀医科大学
      栗本直樹医師 滋賀県DPAT活動報告
    • 平成30年2月24日 Shiga Psychiatric Expert Conference & Training(SPECT)
    • 平成30年2月4日 滋賀精神科専門医トレーニング研究会@ロイヤルオークホテル
      栗本直樹医師
      薬剤治療抵抗性統合失調症へのECT+クロザピン併用療法の考察
      ―病識欠如、内服遵守不良という前に― を講演
    • 平成28年熊本地震 災害派遣精神医療チームとして活動
    • 総合病院精神医学会 首都圏ECT連絡協議会
      ECTアドバンスコース講習会 講師
      ECT後再発する大うつ病性障害にメンテナンスECTは必要か
      A Naturalistic Study―大うつ病性障害に対するECT後3年間の予後調査ー
    • 守山市医師会 教育講演
      今日から役立つ精神科―うつ病は治る。抗不安薬、睡眠薬のホントの使い方ー
    • 彦根市民病院 教育講演
      知っているようで知らない『せん妄』
      今日からあなたもせん妄マスター ―抗不安薬、睡眠薬、ホントの使い方ー
    • 滋賀臨床行動研究会
      特別講演 難治性うつ病 寛解への糸口
      ―滋賀医大精神科 気分障害専門外来、病棟における治療とその成績―
    • 近江八幡市医師会 教育講演
      今日から役立つ精神科―うつ病は治る。抗不安薬、睡眠薬のホントの使い方ー
    • 第21回 びわ湖臨床研修ネットワーク学術講演会 教育講演
      今日から役立つ精神科―うつ病は治る。抗不安薬、睡眠薬のホントの使い方ー
    • 「市民と一般科のための うつ病講座」安曇川で市民公開講座講演
    • 株式会社やまじょう 教育講演 職場におけるメンタルヘルス
    • 塩野義製薬「難治性うつ病治療ーECTの実際」教育講演
    • 日本うつ病学会大津市主催「うつ病病を知る日」教育講演
    • 琵琶湖放送「いきいき健康ライフ」うつ病の治療について講師として出演
    • 大津医師会 教育講演 一般外来で診るうつ病治療
  • 略歴

    • 平成16年 滋賀医大 卒業
    • 平成19年 国立精神・神経センター 武蔵病院 レジデント
    • 平成21年 滋賀里病院 非常勤医師
      滋賀医大精神医学講座 助教
      気分障害専門外来開設、ECTチームーリーダー
    • 平成26-27年 滋賀医科大学医学部付属病院 精神科病棟 病棟医長
    • 平成28年 滋賀医科大学医学部付属病院 精神科外来 外来医長
  • 資格

    • 精神保健指定医、精神科専門医、指導医
  • 所属学会

    • 日本精神神経学会
    • 総合病院精神医学会
    • 日本睡眠学会
    • 日本サイコオンコロジー学会
    • 日本血栓止血学会
  • 研究テーマ

    • うつ病
    • 深部静脈血栓、精神科病棟における身体管理について
    • 安全で有効なmECTの施行方法の研究
    • mECT施行における各種パラメーター、EtCO2、麻酔等に関連する研究
  • 学会発表・論文

    • 栗本直樹 稲垣貴彦 山田尚登 大うつ病性障害に維持ECTは必要か―難治性うつ病に対するECT3年後の予後調査から分かることー
      総合病院精神医学会 2015
    • 栗本直樹 稲垣貴彦 青木崇 山田尚登 大うつ病性障害に維持ECTは必要か
      日本精神神経学会 2015
    • 栗本直樹 藤井勇祐 山田尚登 うつ病に合併した深部静脈血栓症に対し下大静脈フィルターを留置しmECTを施行した1症例
      2012 総合病院精神学会誌
    • 栗本直樹 末期担がん患者の食欲低下と疼痛にmECTが著効した一例
      2012 福岡、日本サイコオンコロジー学会 (学会発表)
    • 栗本直樹 末期担がん患者の食欲低下と疼痛にmECTが著効した一例
      2012 京都 日本内科学会 (学会発表)
    • 栗本直樹 藤井勇祐 山田尚登 うつ病に合併した深部静脈血栓症に対し下大静脈フィルターを留置しmECTを施行した4症例
      2011 福岡 総合病院精神医学会 (学会発表)
    • 栗本直樹 、山田尚登  重症精神疾患治療に随伴する身体管理―深部静脈血栓、肺塞栓の予防と早期発見治療、refeeding症候群からmECTの導入に至るまで―
      2011 東京 精神神経学会 (学会発表)
    • 栗本直樹 末期担がん患者の食欲低下と疼痛にmECTが著効した一例
      緩和医療学会 札幌 2011(学会発表)
    • 栗本直樹 山田尚登 精神症状が先行した抗NMDA受容体脳炎の1例
      2009 精神医学
    • 栗本直樹、山田尚登:慢性疾患と運動療法 うつ病 身体活動・運動と生活習慣病 ―運動生理学と最新の予防・治療― Nippon Rinsho 67, suppl 2, 427-432, 2009
    • 栗本直樹:気分障害に合併した睡眠時無呼吸症候群の治療効果に対する一考察
      第105回近畿精神神経学会 2009, 大阪(一般)
    • 栗本直樹、野田隆政、樋口輝彦:ハンチントン病の症状別の薬剤選択とその治療効果に対する1考察
      第20回日本総合病院精神医学会 2007、札幌
    • 栗本直樹:慢性疼痛に対する修正型電気けいれん療法の1考察
      第102回 近畿精神神経学会 2006、和歌山(学会発表)

書籍の案内

最新精神医学
第24巻 第3号 世論時報社
電気けいれん療法の発展:現状と今後の方向性
うつ病と双極性障害に対する電気けいれん療法
著者 栗本直樹
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